2007年8月10日金曜日

ペルシャの薔薇

ザ・リッツ・カールトン大阪:ペルシャの薔薇と千夜一夜物語

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2007年8月10日
主催 ザ・リッツ・カールトン大阪
ローズ・アレンジメント・セミナー~薔薇色の人生をあなたに~ 
& ランチ
世界の薔薇をあなたに~プリザーブド・ローズ・アレンジメント
講師:古川敦子 (シャマイム ローズ ギャラリー経営) 
ペルシャの薔薇と千夜一夜物語
ゲスト・スピーカー:ダリア・アナビアン

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ローズ・セミナーが始まる前
ザ・リッツ・カールトンでランチ・タイム

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「ペルシャの薔薇と千夜一夜物語」

今日は、みなさんと20分間の薔薇の旅にお出かけしたいと思います。薔薇の起源地は、ペルシャからヒラヤマ山系辺りと言われているんだけど、主にシルクロード周辺に分布していて、ペルシャの歴史のなかでも主役なのです。

ちょっと気が遠くなるけれど、3500万年前の薔薇の化石が出てきて、すでに100種類もの野薔薇があったんですよ。恐竜が歩いていたところに薔薇が咲き、彼ら が全滅しても、薔薇は咲きつづけ、地球上に薔薇が咲いていない時はなかったと思うんです。人間がまだ猿だった時代、500万年前でも、薔薇は咲いていたん です。
 
ところで、こちらの薔薇博士古川先生と古い友人でありまして、1999年にギリシャのクレタ島まで行ってきました。 そこには、びっくりするほど古い文明があり、世界4代文明と言われているメソポタミ、インダス、エジプト、中国よりさらに古い、6000年前に栄えたクレ タ島のミオア文明のクノッソス宮殿を訪れました。そちらには、世界でいちばん古い薔薇が描かれている壁画があるんですよ。

オールドローズ

古代エジプト時代でも、クレオパトラがペルシャと同じ種類の野薔薇でできたローズ・オイルで、お肌の手入れを毎日していたと伝えられています。けど、あまり 美しくなかったという説も聞いたことがある。その時に使っていた薔薇は、オールドローズ、又はダマスク・ローズとも呼ばれます。今日でも、香水や化粧水に このオールドローズが原料として使われています。こちらのザ・リッツ・カールトン・ブティックでも販売されていますよ。

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天国に咲く薔薇

また、古代バビロニアでは、「薔薇をかぐ女神」の浮き彫りが残っています。この時代に旧約聖書が書かれたんですよ。その旧約聖書に出てくるエデンの園にも薔 薇が咲いていたと書かれています。その薔薇をイメージして、人間は、ずっと青い薔薇の栽培を目指してきました。でも、その薔薇は、まだ天国でしか咲かな い、地上では「青い薔薇」の改良は不可能なのです。でも、長い研究の結果「サントリー社」が青い薔薇を誕生させたんです。と言ってもまだ、本当のペルシャ の空のようなブルーは、咲かすことができません。プリザーブ(保存した)ローズしかペルシャ・ブルーが出せないんです。天国に咲く青い薔薇をテーマに、旧 約聖書のヘブライ語で、実は、古川敦子先生の会社名を一緒に考えて「シャマイム」に決定したんです。ヘブライ語で「空」或は「天国」という意味なんです。

ペルシャの薔薇とお正月

最 古の薔薇の栽培は、ペルシャとされています。ペルシャは、2500年前に様々な国の人が集まって、例えばバビロニアとか、アッシリア、インダス、エジプト などの国々が今のインターネットのようにネットワークが繋がり、そこを人と物の交易が盛んになり、最古の世界帝国アケメネス朝ペルシャができました。当時 の原始宗教であるゾロアスター教のために、春の神殿を建て、そこで新年会を開催しました。3月21日、日本で言えば、春分の日。イランでは、自然界が生ま れ変わるということで新年を祝うのです。何千年も続いてきたゾロアスター教の新年会では、日本のようにお節料理を作って、鏡餅を飾るように、人生をスイー トにする薔薇の外郎を飾って食べるのです。それから、ゾロアスター教の新年の誓いをします。「善い想い 善い言葉  善い行いをしよう」 とお祈りして薔薇の香水を撒きます。日本の禊みたいでしょう。

Eram

薔薇の都イラン、シラーズにある「エラムガーデン」(エラムとは楽園の意味)では、その名にふさわしく薔薇を中心に花々が咲き乱れる庭園です。シラーズの人々も薔薇を愛し庭に薔薇をたくさん植えているので、シラーズの春は薔薇の香りにつつまれます。 

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シラーズの薔薇園をを旅するダリア 1977

今 も昔もエラムガーデンの薔薇は栽培され、ここから抽出される薔薇水は、世界で最高の品質です。イランの人々は古くから薔薇水による薔薇の香りを生活の中で 使ってきました。現在もイランでは薔薇の花弁を水蒸気蒸留して薔薇水を採取します。薔薇水は、お菓子を作るときの香料としてよく使われます。薔薇のアイス クリーム。また、薔薇の香りによるリラックス効果によって、葬儀の参列者が悲しみを和らげるために手や首筋に付ける、といった使われ方もします。

薔薇の黄金時代  

13 世紀のペルシャ黄金時代では、幾何学、数学、科学、医学、地理学、天文学など、すべての分野において叡智が開花し、文学では、千夜一夜物語の原本が書かれ ました。ペルシャ、アラビア、インドの文学の合作なんです。時代が経つにつれ、シルクロード各地に伝わった民話が集まって、より脚色され、また表現力も豊 かになっていき、何れは、アラビア語訳からヨーロッパに広がるんです。そのために、千夜一夜物語は、アラビアン・ナイトと名づけられました。そこで薔薇 は、「蕾の薔薇の物語)にも登場するし、他の物語でも描写によく使われます。今、BGMに流れている曲は、リムスキ・コルサコフによる千夜一夜物語のシェ へーラザードという曲だけど、この名前はペルシャ語で“都会で生まれた子という意味。日本語では、町子って感じです。

故郷の薫り

昔 もそうでしたけど、今も薔薇はイランで一般人の日常生活の必需品です。どこの家にも醤油があるように、薔薇水の瓶が必ず置いています。薔薇の乾燥した花弁 をご飯に振り掛けて食べます。一口含んだだけで、夏の暑さから逃れ、花園に迷い込んだ味。空気が乾燥しているために、一本の薔薇を花瓶に挿すと、家中が香 るのです。薔薇の香は、どこまでも届き、それだけイランの薔薇は、生活に密着しているのです。最後にアラビアン・ナイトのお話で締め括ります。

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千夜一夜物語 シンドバットの薔薇色の人生

舞 台は、バクダットです。ハルーン・アルというカリフ(領主)の時代のバクダントで、ヒンドバットという貧しい荷かつぎ人夫がいました。ヒンドバットは、日 が肌を突き刺すほどの暑い町で、端から端へと重い荷物を運ぶ仕事を請け負っていた。道のりの半ばも来ないうちに、彼はくたびれてしまい、静かな路地に入り 込んでいきました。そこには、薔薇水が散水され、心地よい風が吹いていました。荷物を下ろし、日陰で休憩すると、これ以上の楽園は探してもないだろうと、 ヒンドバットは想像しました。

芳 しいアロエの木々が豪邸を囲んでいました。開かれた窓から漂ってくるお香の香は、薔薇の芳香と溶け合っていました。豪邸から、葦笛と様々な楽器の繊細な音 色が聴こえ、ナイチンゲールの旋律的な囀りが調和されていた。その香からは、豪邸にお祝い事か、或いは結婚式が行われているのではないかと想像しました。 今まで見たこともない豪邸にどんな主人が住んでいるのだろう。こんなところを通りかかることはめったにありません。好奇心に駆られて、玄関に立っている立 派な身なりの召使いのところへ行き、主人の名前を尋ねました。 「なんじゃと?バクダットに住みながら、このお豪邸にシンドバットという貴族が住んでいることを知らんじゃと?太陽が輝けるすべての海を航海したあのシン ドバットだよ」

貧しい荷かつぎ人夫は、シンドバットの巨万の富の噂が耳に入ったことがあり、シンドバットは人も羨む幸運なのに、ヒンドバットは貧弱でした。彼は、青空を見上げて大声で叫びました。

「全 能全知の創造主よ、シンドバットとヒンドバットの人生の差は、一体なんなんだ。毎日、品質の悪い麦を手に入れるために千の苦労と不幸を抱えて、家族を養っ ていかなければならないというのに、シンドバットは、湯水の如くお金を使い、贅沢三昧している。それに比べて私は何故こんな重荷を背負わなければならな い」

 そう言って、足を踏み鳴らし、その音の凄さにもう一人の召使いが出て来て、ヒンドバットの腕を掴み、「さー、わしについてこい。シンドバット様が、お前に話したいことがある」と言いました。

  ヒンドバットは、うっかりと発してしまった言葉がシンドバッドを不愉快にしてしまっただろうかと恐れました。「路上に荷物をほったらかす訳にはいかない」 と、口実を作ったが、召使いは主人の招きに応じるように執拗に迫るので、とうとうヒンドパッとは、諦めて召使いに付いて行きました。

  大広間には、あらゆる珍しい薔薇のお菓子がのっているテーブルを囲み、大臣が座っていました。上座には座っていたのは、長い白髭を生やした静謐な男でし た。静寂な空気がそこに漂っていました。召使いに囲まれていた彼が、かの有名なシンドバットでした。荷かつぎ人夫は、シンドバットの威厳に驚き、震えなが ら敬礼した。シンドバットは、前に来るように右手で合図をしました。自分のお皿には少量のお菓子をとり、ヒンドバットには上等なワインを注ぎました。宴会 が終わりに近づくと、彼の名前と仕事を親しく聞きました。

「ご主人様、私はヒンドバットです」

「そうか、私はシンドバットです。よく、来たな。みなも喜んでおる。しかし、先ほど通りで、叫んでいたことを、もう一度ここで言ってくれないか。宴会が始まる前に、開いていた窓を通り過ぎると、お前の不満が聞こえてきたんだ。それで召使いを迎えに行かせたんだ」

その質問にヒンドバットは困惑して、頭を垂らして、答えました。「ご主人様、腹立ちまぎれの捨て台詞に過ぎませんでした。どうかお許しください」

「私 が貴方を非難するほど、不公平ではありません。それより、貴方の状況がよく分り、同情できます。ただ、貴方は、私のことを少し誤解しているため、説明して おきたいんです。貴方は、私の富と贅沢が苦労も危険もなく手に入ったと思い込んでいるが、まったく反対ですよ。私は 富を求めて海を縦断するどんな強欲な 者でも、おじけづかせるほどの冒険してきました。行く先々で、私が出会った7つの航海と危険と驚きをまだ理解していません。想像絶する限りの骨折りを何十 年も越えてきました。後に、辿り付いたのが今の薔薇色の人生です。路上の荷物は、召使いが世話をするから心配せずにゆっくり聞きたまえ」とシンドバットは 言いました。

「富は、気前よく与える人に巡ってくる」

シ ンドバットの7つの航海のお話は、毎日毎日つづきました。薔薇のデザートを次々と取りながら、聞いても長い七つの海の話は終わりません。何日が何週間にも なり、何ヶ月間が何年にもなり、悠久な時間が流れていきました。気が付くとヒンドバットは、シンドバットのお話を聞くことが本職になってしまっています。 ヒンドバットは、すっかりシンドバットの友人として迎えられ、一緒に薔薇色の人生を送ることになりました。薔薇の刺の一本も刺さることなく。 

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この度は、新しく発売した千夜一夜物語に出てくるようなペルシャのクリスタル・ボトルに入った薔薇の香りも是非お楽しみください。
シャマイム・ローズ・ギャラリー

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古川敦子先生ご主導のプリザーブド・ローズ・アレンジメント・セミナーで、私も自分で作品を細工しました。薔薇の茎に針金を挿して、緑のリボンで針金をくるくると巻きつける。最後にプリザーブド・ローズを盛り花のように花瓶のなかに挿していく。

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見た目は、生きた薔薇と変わりません。
正に天国に咲く永遠の薔薇です。


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「ペルシャの薔薇とアラビアン・ナイト」のテーマで作品を作りました。
アナタもローズ・アレンジメントに挑戦しませんか。
http://www.rose-shamayim.com/seminar.html

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